衆議院議員
岸田文雄公式サイト

活動報告

第89回 自由民主党大会

自由民主党総裁の岸田文雄でございます。

本日89回目の自由民主党、党大会開催にあたりまして、本日ご出席の皆様方、また全国の党員・党友の皆様方、また全国の各級議員の皆様方に、平素から党勢拡大に大変なお力添えをいただいておりますことを、心から厚く御礼を申し上げます。

また、党本部の皆さん、また、全国の都道府県連の職員の皆さん、また、多くの秘書の皆さんをはじめ、我々自由民主党を支えてくださっている皆さんに心から感謝を申し上げます。また、先ほどは友党公明党の山口代表、また、経団連の十倉会長からも心温まる激励のお言葉をいただきました。誠にありがとうございました。

さて、今我々がこうして集っている瞬間もウクライナにおいては、罪のない市民、また将来のある子供たちがロシアの侵略によって尊い命を落としています。改めて、力による一方的な現状変更によって、主権と領土の一体性を犯すロシアの暴挙を強く非難いたします。

我が国は、国際社会と共にロシアに強い制裁を科すことで、こうした暴挙には高い代償が伴うということを示してまいります。また、ウクライナに対するさらなる支援を行ってまいります。皆さん、今こそ欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の安定のために力を合わせていこうではありませんか。

今回のロシアの暴挙は、ヨーロッパのみならずアジアを含む世界の秩序、平和に対する挑戦であり、今回の暴挙を我が事として捉え、我々は対応していかなければなりません。3点申し上げます。

まず第1。我が国自身の防衛体制の見直し、そして強化をするということであります。国家安全保障戦略など3文書の見直しを一体的に進め、防衛力を強化してまいります。

第2に、日米同盟のさらなる強化です。今般のロシアの暴挙は、我々に同盟関係の重要性を再認識させました。幸い、我が国には、日米同盟という世界屈指の同盟関係があります。我が国、アジア、そして国際社会の平和と安定の礎として、日米同盟をさらに強固にしてまいります。

第3に、国際秩序の再構築です。国際社会の平和と安定に大きな責任を持つ国連安全保障理事会の常任理事国であるロシアの暴挙は、新たな国際秩序の枠組みの必要性を示しています。我が国は長年、国連改革、そして安全保障理事会改革を訴えてきましたが、岸田政権のもと、その実現に全力を挙げてまいります。

こうした国際社会の変動を含め、いかなる事態が起きても国民生活を守り抜いていく。こうした外交安全保障を進めるためには、何といっても政治の安定が不可欠です。我々は、友党・公明党とともに、この20年間、日本の政治の安定を導いてきました。来る参議院選挙も自公の連携のもと、勝利をし、引き続き政治の安定を担っていこうではありませんか。

安定した政権のもとで取り組まなければならない課題がコロナとの戦いです。国民の皆様には2年以上にわたり、不自由な生活をお願いしてきました。コロナとの戦いの最前線におられ、医療福祉関係者、自治体関係者、また多くのエッセンシャルワーカーの皆さまに心より御礼を申し上げます。また、コロナにより亡くなられたみなさまには心から哀悼の誠をささげ、または療養中のみなさま方にお見舞いを申し上げます。

足元、オミクロン株との戦いにおいては感染状況は落ち着きを見せております。現在、蔓延防止等重点措置を実施している18の都道府県においても、感染者数が顕著に減少し始めています。引き続き、感染拡大防止を徹底しながら、出口に向けて動きを進めてまいります。その際、大切なことは、引き続き、万全のバックアップ体制を整え、そして維持していくことです。オミクロン株を抑え込んだとしても、コロナウイルスが変異する可能性は完全に消すことはできません。

しかし、それを恐れていては、ウィズコロナの日常を切り開くことは不可能です。大切なことは検査キットの十分な確保、また医療提供体の維持、経口薬、ワクチンの確保など再び感染が拡大したとしても十分な対応ができるように備えておくことです。お約束をいたします。いざというときの備えを万全にした上で、経済社会を動かすことで、みなさんが笑顔で家族、ご友人と接し、日常を取り戻すことができるよう、歩みを着実に進めてまいります。

そしてその先に日本経済の回復を描いてまいります。まずは足元、原油高騰、原材料価格、食材価格の高騰に対する対応を強化してまいります。ロシアの暴挙により原油価格が急騰しています。激変緩和措置を講じ、まずは当面、ガソリン価格を172円に維持いたします。ロシアへの制裁では断固たる対応をとりながら、エネルギーの安全供給確保という国益は守り抜かなければなりません。私自身、資源外交を積極的に展開をし、歴史的な関係を築いてきた中東産油国への働きかけを行います。

さらにはエネルギーの種類、調達先など、あらゆる面で多様化を進め、危機に強いエネルギー構造を実現させます。食材価格高騰についても、価格抑制策を用意するとともに、価格上昇に苦しむ中小企業の価格添加対策や、生産性向上に向けた支援を行ってまいります。

足元の経済状況への万全な対応した上で、日本経済の再生、そして成長に全力で取り組みます。おかげさまで、アベノミクスによって、もはやデフレではない、こういう状況まで来ることができました。岸田政権では、アベノミクスの成果の上に立って、この流れをさらに確実なものとし、持続可能な日本経済を実現してまいります。

まずは、消費、実需へつなげるためには、所得の底上げが必要であり、まずは賃上げです。そろそろ春闘の結果が出てきます。大胆な賃上げが実現することを期待いたします。賃上げはコストではなく、将来への投資であるという考えを幅広く共有していきます。特に重要なのは子育て世代への支援です。この25年間で、子育て世帯の所得は減少し、コロナ禍で出生率も一段と低下をしています。

学童保育の強化など、一層の子育て支援に取り組んでいきます。企業の成長と持続的な賃上げを可能とする、人への投資を大胆に増やし、時代の変化に立ち向かいます。他方で、ない袖は振れないとの声があるのも事実です。継続的な賃上げには、日本経済全体の底上げが必要です。そのためには、成長、成長を実現しなければなりません。官民の投資をデジタル、気候変動といった分野に集め、社会課題を乗り越え、明確な将来像を示すことで、持続可能で力強い成長を実現させます。

これからの時代は、地方が成長のエンジンとなります。デジタルの力を生かし、地域発の成長を実現してまいります。農林水産業、観光業、中小。ものづくりといった地域の基幹産業の成長をしっかりと後押しをしてまいります。日本経済の足腰を支えるのは、優れた技術です。しかし近年日本経済の心臓部である、先端技術や投資が十分ではありません。新しい資本主義が掲げる新たな官民連携、そして、財政単年度主義の弊害是正により、AI、量子、バイオなどの分野に大胆に投資をしてまいります。

歴史をひも解くと、技術革新は、多くの場合、新たなプレーヤーの誕生とともにもたらされてきました。日本経済の新陳代謝を進めるため、5年10倍増の計画のもと、スタートアップ政策を大胆に展開してまいります。

近年、子育て問題や環境問題など社会課題の解決を目指す、社会的企業、業を起こす、こうした社会的企業が増えています。私は、社会課題の解決に志を持つ、多くの若者がいることを心強く、そして誇りに思っています。新しい資本主義は新たな官民連携の形として、こうした社会的企業、課題解決企業、こうした、取り組みを全面的にサポートしてまいります。

そしてこの国の形を決める憲法を改正。わが党が示す4項目は、いずれも今こそ、取り組まなければならない課題です。我々一人一人が、国民の皆さんと、しっかりと対話をし、憲法改正という党是をなしとげようではありませんか。

こうしたウクライナ、コロナ、新しい資本主義、そして、憲法改正。大きな歴史的な変化に立ち向かっていく。そのための力を得る戦いが、来る参議院選挙であります。

今後、この後、我が党の公認候補の皆さんを紹介いたします。いずれ皆さん日本を、故郷を思い、良くしたい。そうした情熱にあふれ高い見識を持っておられます。ぜひ皆さんの力を集めていただき、各候補、しっかりと押し上げていただきたいと思います。

参議院選挙はときとして大きな政治変革の引き金ともなってきました。気を緩めることなく、一致団結して、この戦いを勝ち抜こうではありませんか。そのために、自民党こそ改革政党であることを示してまいります。

本日の党大会において、総裁選でお約束した通り、党改革を決定いただきました。党役員の任期制を導入する。コーポレートガバナンスの整備を行っていく。さらには、地方の皆さん。女性。あ、失礼、ガバナンスコードの整備を、失礼いたしました。ガバナンスコードの整備を行ってまいります。

そして女性、そして青年局、地方の皆さんの声をしっかりと受け止め、集める組織をつくってまいります。日本が変わらなければならない今こそ、責任政党そして国民政党を自負する自民党が自らが、変われることを示し、日本の国民の信頼を確たるものにしようではありませんか。

今、これだけの歴史を画するような国家課題に直面するとき、自民党、そして公明党の連立与党以外にこの国を任せることができるでしょうか。子供たちの未来を預けることができるでしょうか。できるわけがありません。我々がやるしかない。改めて申し上げます。何としても、きたる参院選挙。われわれ責任政党、自由民主と一致団結をして、まなじりを決して戦い抜く、私自身がその先頭に立ってまいります。

全国の党員党友、各級議員の皆様方そしてお集まりの皆様方、ぜひ、心から結束をお願い申し上げて、ご挨拶をさせていただきます。

誠にありがとうございました。