令和4年3月16日 岸田内閣総理大臣記者会見
【冒頭発言】
本日は、戦争が続くウクライナ情勢への対応と、新型コロナ対応について、お話をいたします。
まず、ロシアのウクライナへの侵略について申し上げます。
ロシアの今回の暴挙は、歴史に刻むべき非道な行為です。自由、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜くため、我が国は、断固としてこれを糾弾いたします。そして、米国や欧州など、G7と連携して、事態の展開にあわせて、機動的に厳しい対露制裁措置を講じてまいります。
こうした我が国を含めた国際社会の一致団結した怒りの声・制裁措置に対し、ロシアは対抗措置を採り始めました。原油やガスの国際市場は急騰し、世界中の消費者や経済を直撃しています。穀物市場を始め、食料関連市場もひっ迫するとの見方が広がっています。エネルギーと食料の純輸入国である我が国の経済と生活への打撃が懸念されます。
しかし、ウクライナ国民と共にあることを示すためにも、そして、国際社会の平和と秩序を守り抜くためにも、ロシアの揺さぶりや脅しに屈することは決して許されません。
我々は、侵略と戦い、祖国を守るため懸命に行動するウクライナの人々を、断固たる決意で支援いたします。今こそ、省エネやウクライナからの避難民の受入れを始め、国民の皆さんの御協力が不可欠です。政府としても、そうした国民の皆さんの御協力に応えるべく、そして、国民の皆さんへの経済的打撃をできる限り小さくするため、ありとあらゆる政策を思い切って講じてまいります。
以下、具体策を3点申し上げます。
1点目は、ロシアに対する制裁の更なる強化です。先般、G7首脳で発出した声明を踏まえ、ロシアに対して外交的、経済的圧力を一層強めます。このため、法令上の措置を含め、必要な対応を行います。
具体的には、次の5項目に取り組みます。
第1に、ロシアに対する貿易優遇措置である「最恵国待遇」を撤回いたします。
第2に、輸出入管理を更に強化いたします。ロシア向けのぜいたく品の輸出禁止を行うとともに、ロシアからの一部物品の輸入を禁止します。今後速やかに、対象品目を特定いたします。
第3に、IMF(国際通貨基金)、世界銀行、欧州復興開発銀行を含む主要な多国間金融機関からロシアが融資を受けることを防ぐよう、G7で連携して取り組んでまいります。
第4に、プーチン大統領に近いエリート層や財閥オリガルヒなどに対する、資産凍結の対象の範囲を更に拡大いたします。
第5に、デジタル資産などを用いたロシアによる制裁回避に対応するため、暗号資産交換業者などの協力を得て、金融面での制裁を更に強化いたします。
2点目は、ウクライナの方々への支援です。ウクライナ及び周辺国に対し、1億ドルの緊急人道支援を行います。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの国際機関と連携して、侵略に負けず、懸命に生きるウクライナの方々へ、食料、医療品など必要な支援をお届けいたします。難民を助ける会を始めとする日本のNGO(非政府組織)とも連携して、支援を進めてまいります。
ウクライナ側からの新たな要請を踏まえ、医療用資材、双眼鏡などの装備品を追加で供与いたします。本日、ウクライナへの輸送を開始しました。さらに、防弾チョッキ等を米軍機が輸送しています。ウクライナ国民との更なる連帯を示してまいります。
3点目は、ウクライナから避難された方々の我が国での受入体制の整備です。320万人を超えるウクライナの人々が避難を強いられていることに心を痛めた、多くの自治体や企業、そして民間団体の方々から避難民の受入れに協力したいとの心強い声が上がっています。
私が先週訪れた東北の被災地では、被災自治体の首長の方から、「東日本大震災のときにはウクライナの方々から温かい支援を頂いた。今度は私たちがその恩をお返ししたい」といった声を直接頂きました。日本には「困ったときはお互いさま」という言葉があります。政府としてもこの精神で、ウクライナからの避難民を積極的に受け入れてまいります。
このため、官房長官の下に「ウクライナ避難民対策連絡調整会議」を設置いたしました。この会議を司令塔として、関係省庁が連携して、ウクライナ避難民と受入先のマッチングなど、ウクライナ避難民の円滑な受入れと生活支援を行ってまいります。既に出入国在留管理庁にウクライナ避難民への支援の申出を受け付ける窓口を設けました。多くの皆さんの力を集め、ウクライナ避難民の皆さんの助けになりたいと思います。
ロシアによるウクライナ侵略の影響による我が国経済・暮らしへの影響を緩和する対策については、既にガソリン価格を172円程度に抑える激変緩和措置など、当面の対応を決定し、国民の皆さんにお届けしています。今後も、原油価格、原材料価格、食材価格などへの波及の状況を注視し、事態が長引く場合には、更に機動的に対応してまいります。
次に、新型コロナ対応について申し上げます。
国民一人一人の感染防止への取組、自治体、医療・福祉関係者の御努力により、全国的な感染者数はピーク時の半分程度まで落ち着いてきました。病床利用率や在宅療養者数についても、地域差はあるものの、明確な低下傾向が確認されています。
こうした状況を受けた各知事の要請を踏まえ、21日に期限を迎える18都道府県のまん延防止等重点措置については、同日をもって全て解除することといたします。明日、専門家に諮問し、国会に報告の上、正式に決定いたします。
第6波の出口ははっきり見えてきました。その上で、今後の新型コロナ対策についての基本的な考え方を申し上げます。
私は、昨年の総裁選において、コロナとの闘いの当面のゴールとして、季節性インフルエンザと同様、従来の医療提供体制の中で対応可能なものとし、通常に近い経済社会活動を一日も早く取り戻すことだと申し上げてきました。しかしながら、新型コロナウイルスについては、オミクロン株であっても、致死率や重症化率がインフルエンザよりも高く、汎用性の高い経口治療薬もいまだ存在していません。また、更なる変異の可能性も残ります。
こうした状況を踏まえますと、今後しばらくは、平時への移行期間、すなわち、最大限の警戒をしつつ、安全・安心を確保しながら、可能な限り日常の生活を取り戻す期間としてまいります。
具体的に申し上げます。まず、最大限の警戒についてですが、第6波への対応として準備した「全体像」の体制を堅持しながら、オミクロン株の特徴にあわせて強化してまいります。
第1に、オミクロン株に対応した医療体制の維持・強化です。1床当たり450万円の支援や、看護職員の派遣単価の引上げを4月以降も延長し、転院や救急搬送受入れ、高齢者施設における療養体制を引き続き支援いたします。自宅療養者に対応する医療機関は、1月の1万6,000から2万2,000機関へと更に増やしています。
第2に、熱があるときの外来診療の強化です。まん延防止等重点措置解除後においても、少し熱があるなと感じたときに、すぐに地域の医療機関で診てもらえることが大事です。いわゆる発熱外来については、更なる対応の強化を自治体に依頼し、合計3万6,000の発熱外来を引き続き確保いたします。また、医師会の協力も得て、診療報酬の加算措置を延長した上で、一部の地域で非公表となっていた実施機関名を東京都、大阪府等において、一律に公表することとしました。
第3に、治療薬の確保です。感染した場合には、素早く飲み薬をもらって、重症化を防ぎ、治療できることが大事です。これまでメルク社、ファイザー社の飲み薬、さらに、各種の中和抗体薬、合計650万回分を確保してきましたが、更に300万回分を確保いたします。国産治療薬についても、引き続き、申請に基づいて承認審査を進めるとともに、治験に対する支援を倍増いたします。
第4に、身近な検査体制の強化です。再度の感染拡大や経済活動のニーズにも対応できるよう、国が必要な買上げ保証を行って、向こう6か月間で計3億5,000万回分の抗原検査キットを確保いたします。
そして、第5に、更なるワクチンの確保です。4回目の接種のありようについては、専門家の知見を踏まえ検討しますが、いかなる結論にも対応できるよう、ファイザー社、モデルナ社との交渉を進め、4回目接種の必要量を確保できる見通しが立ちました。具体的には、ファイザー7,500万回分、モデルナ7,000万回分を追加購入することとし、今後の最新の科学的知見を踏まえて、最も適切な時期に接種できるよう、必要量を確保します。
以上、申し上げてきた政策を進めるため、治療薬、検査キット、ワクチンの確保などについて、今年度のコロナ予備費から計1兆3,500億円を使用いたします。これらの備えは、今後、コロナの再拡大がなければ、結果として無駄に終わることもあるかもしれません。しかし、安全・安心を確保しながら社会経済活動を回復することの意義、また、引き続き最悪の事態にも備えておくことの重要性について、国民の皆さんの理解を賜れればと思っています。
次に、可能な限り日常の生活を取り戻すための方策について、申し上げます。
第1に、ワクチン接種歴や検査キットの活用です。今後、イベント、旅行、大人数の会合などの場面において、安全・安心を高める取組として、ワクチン接種歴や抗原検査キットの活用を推奨いたします。
第2に、濃厚接触者の範囲の重点化と待機期間の短縮です。オミクロンの感染拡大にあっては、濃厚接触者となったために、無症状でも仕事を休まざるを得ない方々が増えて、業務に支障を来しているとの声が多く聞かれます。専門家の整理を踏まえ、地域の感染状況などに応じて、濃厚接触者の特定を、医療機関や高齢者施設等、そして、家庭内に限定し、感染防止対策がなされていた一般の事業所は濃厚接触者の特定をしないことといたします。また、エッセンシャルワーカー以外の一般の方々についても、広く検査キットを活用することで、待機期間を短縮可能といたします。
第3に、ワクチン接種です。自衛隊、自治体、そして医療関係者を始めとする皆さんの御協力により、2月中旬に1日100万回の接種を実現し、接種率は既にアメリカを上回りました。今月末には、合計8,100万人の方々に接種券が送付され、また、高齢者の約8割が接種を完了する見込みです。4月から、12歳から17歳の方々への3回目接種も開始できるよう準備を進めます。引き続き、若い方々にも、一日も早く希望する方にできるだけ多く接種を受けていただけるよう、全力を尽くしていきます。
なお、観光需要喚起策については、まん延防止等重点措置の終了に伴い、「県民割」について関係団体の合意を前提に、4月1日から地域ブロックへと拡大いたします。その際にもワクチン接種歴や検査キットを活用した取組を条件に盛り込んで、安心して県境をまたいだ旅行を楽しんでいただけるようにいたします。全国的GoToについては、引き続き注意深く検討していきます。
以上、今後のコロナ対策の基本的考え方を申し上げさせていただきましたが、私自身が最も心を痛めているのが子供たちのことです。2年間に及ぶコロナの影響で、「子供の学びが遅れているのではないか」、「いつもマスクをしているので感情表現ができなくなっているのではないか」など、多くの心配の声を各地で聞いてきました。コロナの悪影響をできるだけ小さくするために、何をするべきなのか、引き続き、幅広い専門家の御意見を伺いながら、感染防止と子供の健やかな学びが両立できるよう、子供たちにとって何が最善かを第一に考えて、検討・取組を進めてまいります。
そして、これから年度末や新年度を迎え、多くの人が集まり、出会う季節となります。最大限の警戒をしながら、可能な限り日常の生活を取り戻す移行期間においても、感染リスクの高い行動を控え、改めて、マスクの着用、手洗い、3密の回避や換気などの基本的感染防止策の徹底を心掛けていただきますようお願いをいたします。
ロシアによるウクライナ侵略、新型コロナ対応、いずれも一朝一夕に答えを見いだすことができる問題ではありません。万能な解決策はありませんが、何としてもこの困難を乗り越えるという強い覚悟で、国民の皆さんのためにできることを着実に一つ一つ積み上げ、前に進んでまいります。
【質疑応答】
(内閣広報官)
それでは、これから皆様より御質問を頂きます。指名を受けられました方は、お近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、社名とお名前を明らかにしていただいた上で、1人1問、御質問をお願いいたします。まず、幹事社から御質問をいただきます。時事通信、石垣さん、どうぞ。
(記者)
時事通信の石垣と申します。よろしくお願いします。まん延防止等重点措置の効果についてお伺いします。今回、オミクロン株の対応では、飲食店の時短営業やお酒の提供の停止などを求めるまん延防止等重点措置について、効果があるのかという疑問の声も一部にありました。総理は、そうした社会的コストに見合う効果があったとお考えでしょうか。また今後、制度の在り方を含め、見直しをするお考えはございますでしょうか。よろしくお願いします。
(岸田総理)
まず、第6波におけるまん延防止等重点措置においては、専門家の皆様の意見も踏まえながら、社会経済活動を広範囲に制約するというのではなく、大人数、長時間の会食ですとか、飲酒を伴う飲食といったリスクの高い行動、感染リスクの高まる行動をできるだけ避けるといった観点から、認証店制度を前提に、飲食店の時短要請等、めり張りの利いた行動制限を行ってきたということであります。
そして、まん延防止等重点措置は行動制限だけではありません。併せて、「全体像」に基づいて医療体制を強化する、また、それを稼働させる、こうした取組を進めるという意義もあるわけですし、さらには、オミクロン株の特性を踏まえて、学校や高齢者施設等における感染対策を強化する、こうした感染対策の意義というものもあったわけであります。
実際、飲食店におけるクラスターは、今年の最初の時点ではかなりの数が報告されていましたが、まん延防止等重点措置等を実施する中で、今現在、飲食店のクラスターというのはほとんど報告されていない。こうした変化が生じているという報告も聞いております。こうしたことを考えますと、行動制限においても、また、感染対策においても、政策の効果は出ていると考えています。
そして、それを今後にどう生かしていくつもりがあるかという質問については、中長期的な観点から6月をめどに感染対策の強化の検討を行っていくということを申し上げていますが、今の第6波への対策、これはまだ、闘いが続いているわけです。先ほど申し上げたように、万全の体制を取りながら、移行期間としてこの取組を進めていくという段階でありますので、今回の対策もしっかり振り返り、それをしっかり踏まえた上で、6月に向けて中長期的な感染対策の強化というものを考えていきたいと思っています。以上です。
(内閣広報官)
続きまして、日本経済新聞の秋山さん。
(記者)
日経新聞の秋山です。よろしくお願いします。ロシアへの制裁についてお伺いします。先ほどの冒頭の発言で、G7の共同声明に基づいて貿易とか金融についての制裁について表明されましたが、更なる制裁の強化を求める意見もあります。今後の対応については、エネルギー分野も含めて、今現在、アメリカやヨーロッパとどういう方向で進めるのかを協議して、どのように取り組んでいくというお考えでしょうか。よろしくお願いします。
(岸田総理)
先ほど申し上げましたが、まずはG7の首脳声明に基づいて、5項目から成る制裁措置、制裁の強化、これを進めていきたいと思っています。
そして、エネルギーについて御質問がありましたが、G7の声明においては、エネルギーの部分につきましては「秩序立った形で、世界が持続可能な代替供給を確保するための時間を提供することを確保しつつ、ロシアのエネルギーへの依存を削減するため更なる取組を進めていく」、このように声明の中では記しています。すなわち、一定の時間軸の中で、ロシアからの化石燃料依存を低減する取組を進めるということをこの声明の中に盛り込んでいます。
これは各国によってエネルギー供給のぜい弱性ですとか、純輸出国なのか、あるいは純輸入国なのか、さらにはエネルギーミックスの変革の取組具合ですとか、それぞれの状況が異なっています。それに応じてエネルギー安全保障戦略を考えながら取り組んでいくということなのだと思います。
我が国も、我が国自身のエネルギー安全保障を追求しながら、可能な限りG7に同調させるべく、最大限この制裁措置に向けて努力をしていきたいと思っています。そのためにも、先ほど申し上げました5項目、G7の共同声明で明らかにした5項目について早急に実施するところから制裁への強化、取り組んでいきたいと考えます。以上です。
(内閣広報官)
ここからは幹事社以外の方から御質問をお受けいたします。御質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名いたしますので、マイクにお進みください。産経新聞、長嶋さん。
(記者)
産経新聞の長嶋です。どうぞよろしくお願いいたします。先ほど、原油価格の上昇について今後機動的に対応していくというふうに、総理、おっしゃいました。ただ、国民民主党ですとか公明党のほうから、トリガー条項の凍結解除を求める声が出ておりまして、今日、自民党を含め3党で議論も始まっております。総理としてトリガー条項の凍結解除についてどのように考えていらっしゃるか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
(岸田総理)
まず、燃油価格の高騰対策については、政府としまして、激変緩和措置の拡大ですとか業種分野別の対策、さらには地方自治体が様々な支援を行った際に財政的に国としても支援をしていくなど、重層的な対策を用意しています。そして、この対策の効果をしっかりと確認をしていかなければならないと思っています。ただ、今後更に価格が高騰する、こういった状況になるとしたならば、国民生活や日本経済を守るために、更なる措置、あらゆる選択肢を排除することなく用意していかなければいけない、こういった方針を申し上げています。
トリガー条項の凍結解除を始め、あらゆる政策、何が最も効果的なのか、そして、どのようにそれを実施することがより大きな効果につながるのか、こういった観点からしっかり検討していきたいと考えています。こうした考え方に基づいて、今後の動向、しっかり注視していきたいと考えます。以上です。
(内閣広報官)
それでは、次の方。それでは、ロイターの杉山さん。
(記者)
ロイター通信の杉山です。よろしくお願いいたします。為替が日本経済に与える影響に関して質問いたします。外為市場でドル円は118円台となり、約5年ぶりの円安水準となっています。ウクライナ情勢を受けて原油や食料品などの原材料価格が上昇する中で、輸入品の値上がりにつながる円安に対し、デメリットを指摘する声も聞かれています。かつて円高が急速に進行した場合は介入等で食い止めた経緯がありますが、円安が一段と進んだ場合、対応が必要と考えますでしょうか。必要とする場合、どのような方策が考えられますでしょうか、併せてお伺いいたします。
(岸田総理)
為替についての御質問ですが、具体的な為替の水準については私の立場からコメントをするのは控えなければならないと思いますが、一般論で申し上げるならば、為替が経済に与える影響、円安傾向が続いたならば、輸出企業は収益が改善する一方で、輸入物価の上昇を通じて中小企業や消費者の生活に負担増となり得る、こうしたことだと思います。
ただ、足元の輸入価格の上昇、もちろん御指摘のように為替の影響はあるのだと思いますが、やはり何といっても大きいのは、原油を始めとする世界的な原材料価格の上昇があるのだと思っています。世界的な原材料価格の上昇が背景にあって、こうした価格高騰が大きな問題になっている、こちらのほうが大きいと思っています。
よって、政府においては、先ほど申し上げました激変緩和措置によってガソリン価格を172円程度に抑えていく、こうした措置を始め、様々な対策を重層的に用意しているわけですし、それから、穀物等への対策、これも用意していかなければならないと思っています。ですから、今後とも原油価格、原材料価格あるいは食材価格、こうした状況を注視しながら、機動的な政策を用意していく、これが重要であると基本的には認識をしています。以上です。
(内閣広報官)
それでは、次の方。西日本新聞の古川さん。
(記者)
西日本新聞の古川と申します。よろしくお願いいたします。ウクライナからの避難民の受入れについてお尋ねいたします。ウクライナから日本で安心して暮らしてもらえるために、今現在運用されている短期的な在留資格の運用ではなくて、条約難民に基づくような難民制度を抜本的に改めるようなお考えは総理の中にありますでしょうか。よろしくお願いいたします。
(岸田総理)
ウクライナから第三国に避難された方々の我が国への受入れをまず進めていく方針ですが、官房長官の下に「ウクライナ避難民対策連絡調整会議」を設置し、これを司令塔として、ウクライナ避難民と受入先のマッチングを始め、政策を進めていきたいと思います。こうした具体的な対応を行っていきたいと思いますが、御質問の趣旨は、そもそも難民の受入れそのものついて基本的に変えるつもりはないかということかと思いますが、我が国は、難民認定については、難民条約の定義に基づいて難民を認定すべき者は適切に認定してきたと認識しています。
また、難民と認められない者であっても、今回のウクライナ避難民のように本国事情等を踏まえて人道上の配慮が必要だと認められる者については我が国での在留を認めるなど、状況に応じて適切に対応してきたと思っています。今回のウクライナのケースにおいても、今後も状況を見ながら適切に対応していきたいと思いますし、そして、先ほど申し上げた対策連絡調整会議を中心に避難民と受入先とのマッチング以外にも、日本語教育ですとか就学、就労、定住、こうした様々な円滑な受入れのために必要な措置あるいは生活支援を行っていきたいと考えております。以上です。
(内閣広報官)
では、次の方。中国新聞、樋口さん。
(記者)
中国新聞の樋口と申します。冒頭発言がありましたけれども、ウクライナ情勢に関連してロシアからのエネルギー調達について伺います。総理の地元の広島ガスを始め、特にロシアからのLNG(液化天然ガス)の輸入というのはかなり多くのガス会社が頼っているという現状がありまして、ただ、例えば極東サハリンでの事業、これはイギリスの大手企業が撤退するなど先行きが非常に危ぶまれておりまして、エネルギーの確保、また料金の値上げにつながるのではないかという懸念も出ております。こうした現状の中で、先ほどおっしゃった制裁措置とのバランスをどういうふうに取りながら今後ロシアからのエネルギー供給に取り組んでいく考えか、伺います。
(岸田総理)
まず、ガス料金については、料金の急激な上昇に一定の歯止めをかける原料費調整制度、こういった措置をしております。政府としては、この制度の下で急激な価格の上昇が起こらないように取り組んでいく所存です。
そして、サハリン2を始めとするプロジェクトについてですが、これについては我が国が権益を有しているプロジェクトであります。長期的に、そして低価格でこうしたエネルギーを調達できるという権益を我が国が持っているプロジェクトであります。そして、サハリン2で申し上げるならば、需要量の9パーセントに当たるLNGを供給している、こうしたことであります。これはエネルギー安定供給上、我が国にとって重要なプロジェクトであると認識いたしております。
そして、先ほども申し上げましたが、エネルギー安全保障の観点をしっかり追求しながら、可能な限り制裁措置をG7に同調させていく、こうした取組を進めていきたいと思います。そして、そのためにも、先ほど申し上げましたG7首脳声明での5つの制裁については、我が国として早急に実施をしていきたいと考えています。以上です。
(内閣広報官)
それでは、ニッポン放送、畑中さん。
(記者)
ニッポン放送の畑中と申します。よろしくお願いいたします。ウクライナ情勢について伺います。現地の状況を見ておりますと、本当に心が痛みます。その一方で気になるのが中国の動きです。これまでの西側諸国の姿勢に対して、明らかに一線を画しているように見えるわけですね。岸田総理は国会で、中国に責任ある行動を呼び掛けると、このようにおっしゃいましたけれども、これまでの動きが果たして責任ある行動と言えるのかどうか、その辺りの見解を知りたいところです。一方で、国防費を増大させるといったある意味したたかな姿勢にも見えるのですが、ウクライナ情勢を含めたこの中国の姿勢に対してどのように付き合っていくべきなのか、その辺りの総理の見解をお聞かせください。
(岸田総理)
まず一刻も早くロシアの侵略を止め、そしてロシア軍を撤退させるためには、国際社会の連携、強い制裁措置が重要であると認識しています。国際社会は結束しなければならない、このように思います。
その中で中国の対応ということでありますが、是非こうした国際秩序のありようが問われている、こういった事態において、中国においても責任ある行動を求めたいと思います。どのように求めていくかということについては、我が国は中国の隣国でありますので、隣国であるがゆえに、経済あるいは文化、スポーツ、市民活動、様々な関係があります。また、隣国であるがゆえに、東シナ海等において様々な課題もあります。
やはり中国とは様々な対話をしていかなければいけない立場にある日本ですので、そうした様々な対話の機会において、是非国際秩序を安定させることの大切さ等をしっかり訴えていく。日本として、こうしたウクライナの事態においても中国として責任ある行動を取ってもらうべく働き掛けを行っていく、こうした姿勢は大事なのではないかと思っています。是非こうした国際法違反の状況に対して、国際社会で協調して強いメッセージを発する、あるいは制裁措置等、事態の緊張を緩和させるための制裁措置を始めとする努力をしていく。こうしたことにおいて協力をしていきたいと思っています。以上です。
(内閣広報官)
それでは、次の方、テレビ朝日、山本さん。
(記者)
テレビ朝日の山本です。よろしくお願いします。欧米では、ワクチン接種の進展とともにマスクの着用を求めない国も出てきています。本日、まん延防止等重点措置の一斉解除という明るい兆しも出てきていますが、やはりマスクというのは象徴的な対策になっていますし、総理は先ほど子供の表情への影響も指摘されていました。この点、シンプルにお伺いしたいのですが、日本においてマスクはいつ頃外して行動ができるようになると見通しているのでしょうか。そして、どういった条件でそれが可能となり得るのでしょうか。この辺をお願いします。
(岸田総理)
今回、まん延防止等重点措置については18都道府県全てで解除するということとしたわけですが、今後しばらくは最大限の警戒をしながら、可能な限り日常生活を取り戻す移行期間であるということを先ほど申し上げました。要は、医療提供体制を始め、ワクチン、検査、あるいは治療薬等、「全体像」で示した感染防止のための体制はしっかり維持しながら、少しずつ活動を日常に戻していく、こうした移行期間であるという認識に立っています。
ですから、マスクの着用というのは感染対策においても基本であり、感染防止対策の基本であるマスクの着用、これは引き続き、この移行期間においては国民の皆様方にお願いをし続けていかなければならないと思っています。
よって、今の時点で具体的にいつになったら着用しなくて済むのか、これを申し上げることは難しいと思っています。是非こうした移行期間を安心して過ごし、そして、より第6波の出口に向けて前進していくことができる、こういった状況をしっかりと確保できるかどうか、この辺をしっかり見た上で御質問の点についても判断していかなければいけないのではないかと思っています。
結論としまして、今時点で、マスクをこの時点で外して構わなくなる、あるいはこうなったら外していい、そういったことについてお答えするのは難しいということであります。
(内閣広報官)
それでは、次、新潟日報の横山さん。
(記者)
新潟日報の横山と申します。拉致問題についてお伺いします。総理は今日、拉致被害者家族と面会されました。家族会は25日で結成から25年になります。ただ、この間、2002年に5人の被害者が帰国して以来、目立った進展はありません。昨年亡くなられた飯塚繁雄(しげお)さんを始めとする家族の諦めない、あるいは諦められないという思いを総理はどのように受け止められたのか、お伺いいたします。また、これまで認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の帰国に向け、全力を尽くすと表明されていますが、政府に認定されていない特定失踪者家族会の方々も総理への面会を求めておられます。総理として面会されるお考えはありますでしょうか。もし面会されないのであれば、その理由もお聞かせください。よろしくお願いします。
(岸田総理)
まず、御指摘のように、本日午後、拉致被害者家族会、そして救う会の皆様と面会し、家族会・救う会の皆様方の今後の運動方針という文書を受け取らせていただきまして、併せて御家族の皆様から長年にわたる苦しみ、悲しみ、そして運動方針に込められた決して諦めない、諦められない、こうした切実な思いをお伺いいたしました。
拉致問題を解決するため、私自身、条件をつけずに金正恩(キム・ジョンウン)委員長と向き合う決意であり、一刻の猶予もないという切迫感を、今日も家族会、そして救う会の皆様方にお会いさせていただく中で強く感じたところでありますが、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動していきたいと思います。
そしてもう一つ、特定失踪者家族の皆さんとの面会について御質問がありました。拉致被害者の認定については、北朝鮮側に反論する材料を与えないよう慎重に対応しているところであり、拉致の可能性を排除できない行方不明者の方々の御家族については、拉致問題担当大臣がお会いしてお話をお伺いさせていただいている、こうした対応を取っているところであります。
今、申し上げたような理由によって、政府としての対応を取っている、これは是非御理解いただきたいと思います。いずれにしろ、全ての拉致被害者の方の帰国に向けて、政府一丸となって取り組んでいかなければいけないと強く感じています。以上です。
(内閣広報官)
次、フリーランスの岩上さん。
(記者)
IWJというインターネット報道メディアの代表をしております岩上安身と申します。よろしくお願いします。ロシアへ大変厳しい措置を採るということをおっしゃられましたが、ロシアから早速反発がありまして、非友好国にすると。それから、極東近辺で大変ロシア軍の行動を活発化させて、これは挑発をしているのだろうと思います。心配なのは、もしNATO(北大西洋条約機構)軍と、今、NATOではなく、あくまで非加盟国のウクライナとロシアが紛争しているというか、戦争しているという状態ですが、NATOとロシアがぶつかるようなことがあれば、NATO全体が動くと。そうなると、米国も戦争当事国になるわけで、そうすると、今度その米国と日米安保で結ばれている日本も集団的自衛権行使ということで、当事国となっていく可能性があるのではないかということが危惧されます。
極東には、核を保有している、日本と決して友好的ではない国が中国、ロシア、北朝鮮と3国あります。台湾有事の問題もあります。北朝鮮の侵攻の問題もあります。そして、ロシアが何かしでかすのではないかという懸念もあります。そのときに、ここから質問なのですけれども、一番心配されるのは原発の防御です。3月14日、参議院の予算委員会で、立憲の福山議員が質問されました。そのときに総理は、原発はサブマシンガンを持った原発特別機動隊が守っているということをおっしゃられたのですけれども、これは少数の部隊などには対抗できるのかもしれませんが、武力攻撃に関しては、更田(ふけた)原子力規制委員会委員長が現在の原子力等規制法では求められていないと、武力攻撃は想定されていないということでお話が終わってしまっているのです。ですから、本格的な戦争で原発が標的になるということを今回目の当たりにしたわけですから、原発に対してミサイル、空爆、ドローン、サイバー攻撃等々の本格的な攻撃に対する対処、これを法律で決めなければ、立法府で決めなければいけないのではないか。その上で、これが自衛隊であったり警察によって守られて、実効されなければならないのではないか。そうしないと、いろいろな場面において強く出ても、その報復に対して我が国がどうなるかというときに、国民の不安というのは非常に高まるものと思います。とりわけ原発のことです。原発のこと、新たな新法とか法改正が必要なのではないか、この点、お聞きしたいと思います。
(岸田総理)
御質問は多岐にわたりましたが、まず、基本的に、ウクライナで起こっているような力による現状変更、これは国際社会に対する挑戦であると思います。ヨーロッパのみならずアジアを含めて、世界の秩序や平和に対する挑戦である。ヨーロッパのみならずアジアにおいても、力による現状変更、これは決して許してはならない。こういった意思はしっかり示さないと、これは国際社会全体における大変大きな混乱になってしまう、このように思います。
そして、最後の原発についてですが、原子力発電所については、国内法において、まずもって航空機等によるテロについても、事業者においてしっかりと対応する、こうしたことが定められています。国内法においてこの原子力発電所の安全について様々な規制が行われていますが、御質問は武力攻撃に対する話です。武力攻撃の場合は、これは我が国として、この武力攻撃事態に対してしっかりと法に基づいて対応する、こうした平和安全法制の仕組みがあるわけでありますので、それに基づいてしっかり対応している。
ミサイル攻撃等についても、法に基づいてイージス体制あるいはPAC-3等のミサイル防衛体制の下にしっかり対応していく、こうした法体系があり、そして安全保障体制が整えられているわけです。ですから、国内法と、そしてこうした安全保障に関する法制、この2本立てで考えていかなければならない、それによって安全を確保するという問題だと思います。
いずれにせよ、原子力発電所に対する武力攻撃は、ジュネーブ諸条約第一追加議定書違反であります。国際法違反であるということを大前提にしながら、そうした国際法違反にどう対応していくのか、これを国内の原子力安全の法律と、そして安全保障における法律、しっかり連動させることによって原発の安全を守っていく、これが基本だと思っています。
(記者)
現行法で大丈夫だという理解ですか。
(岸田総理)
この法律の下に対応していく、そして具体的に何が足りないのか等も含めて、特に安全保障において何が必要なのか、国家安全保障戦略の議論の中でしっかりと日本の防衛力の強化、そして日米同盟の対処力、そして抑止力、これが十分なのかを検討していくということを申し上げています。
現状、先ほど言いました体制の中で原発の安全を守っていくわけですが、ミサイル等の技術も毎日毎日進歩しているわけですから、日本の国民の命や暮らしを守るために十分かどうかは、これは絶えず考えていかなければいけない課題であり、そしてこれからは国家安全保障戦略を始めとする3文書の見直しの中で具体的にそれを考えていく、こうした方針を申し上げております。
(内閣広報官)
次の方、毎日新聞、高本さん。
(記者)
毎日新聞、高本です。よろしくお願いします。ウクライナ関連で、重ねてお伺いします。先ほどもありましたけれども、ロシアが制裁への対抗措置として日本を非友好国に指定したことに対して、日本政府は外交ルートを通じて抗議して遺憾の意を伝えました。在留邦人や日本企業への不利益を防ぐためとの理由ですけれども、ロシアの侵略を非難して制裁を科しながら、対抗措置に抗議をする政府の対応に違和感を持った人もいます。改めて政権の対ロシア外交の全体方針、基本方針を教えてください。また、今後、総理御自身がロシアによる報復制裁の対象になった場合、どう対応されるのか、併せて教えてください。
(岸田総理)
最初の部分は十分意味が分からなかった部分もありますが、要は我が国としては、先ほど申し上げたように、今回のロシアのウクライナへの侵略、これは欧州のみならずアジアも含む国際秩序への挑戦であり、これは我が国のこととしてしっかりと受け止めなければならない。少なくともインド太平洋地域、アジアにおいて、力による現状変更、これを許すようなことになってはならない。そのために、日本としても国際社会と連携しながらしっかりと制裁措置等を進めていかなければいけない、これが基本的な考え方です。
こうした考え方に基づいてしっかり対応しなければいけない。今後、状況次第では、国際社会のありようを大きく変化させることになるとも思っています。次の時代が自由や民主主義、法の支配、人権といった普遍的価値によって維持される国際秩序なのか、あるいは力による現状変更を認め、力の支配による国際秩序を許してしまうのか、やはりここで毅然(きぜん)とした対応を取れるかどうか、それが問われているのだと思います。
そういった思いで、国民の皆様方にはいろいろな御負担をおかけすることになるかもしれませんが、まずはウクライナの方々に対する連帯、そしてこうした国際秩序、アジアも含めた国際秩序に関わる重大な課題が目の前にあるのだということ、こういったことをしっかりと政府としましても説明させていただき、御協力いただけるように努力していかなければならない、このように思っています。これが基本的な考え方であります。
(内閣広報官)
それでは、大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。読売新聞の宮井さん。
(記者)
読売新聞の宮井です。新型コロナ対策についてお伺いします。先ほど18都道府県のまん延防止等重点措置の解除について言及がありましたが、その自治体の中には新規感染者が増加に転じている自治体もあります。今後、まん延防止等重点措置を解除すると行動制限等をかけるのが難しくなってきますが、リバウンド対策についてどのように取り組むか教えていただけますか。
(岸田総理)
まん延防止等重点措置を実施した都道府県について、御指摘のように、足元、感染者数が増加している、こうした自治体はありますが、いずれも、病床使用率等を見ますと、医療への負荷ということについては、増加傾向は見られないと考えています。
そして、先ほども申し上げましたが、今後しばらくは最大限の警戒をしながら、可能な限り日常生活を取り戻す移行期間であると捉えて取り組んでまいります。「全体像」に基づいて、準備した体制をしっかり堅持して、医療体制の維持、ワクチンや検査キット、あるいは経口治療薬、こうしたものをしっかり用意する。また、学校や高齢者施設等においても感染防止の強化を緩めることなく取り組んでいく、こうした移行期間における対策を進めることによってリバウンドを防いでいきたいと考えています。
さらに言うと、これからの季節というのは、年度末あるいは新年度を迎えます。卒業式あるいは春休み、入学式など、多くの人が集まる行事が行われる。就職や進学の機会に移動が多くなる、こういった時期でもありますので、今、言った移行期間における感染対策について、より充実し、そしてしっかり堅持する体制は用意しておかなければならないと思っていますし、国民の皆さんに、マスク着用、そして手洗い、3密の回避、換気等、こうした基本的な感染防止策を徹底していただけるよう、政府としましても引き続きしっかりお願いを続けていかなければいけない、こうした時期にあるのだというふうに私は思っております。以上です。
(内閣広報官)
それでは、最後の質問で、共同通信、手柴さん。
(記者)
共同通信の手柴です。連日お疲れさまです。総理は先ほど冒頭の発言で、コロナの最大限の警戒の一環として新たなワクチン確保とか接種について言及されていましたが、それに関連してお伺いします。ワクチン担当の堀内大臣は、いわゆるオリンピック大臣を兼務しており、閣僚としての設置期限が3月末で迎えます。その後任というか、ワクチン担当大臣をどなたにするお考えでしょうかというのと、また、結果論になりますけれども、ワクチン接種の重要性が高まっている中で、閣僚としての期限を迎える大臣にワクチン担当大臣を兼務させたのは、政権発足当時はワクチン問題について軽視していたのではないかという指摘もありますけれども、それについてはどのようにお答えになるのか。よろしくお願いします。
(岸田総理)
まず、法律で定められているように、3月末で閣僚の数が1つ減る、そうしたことに対応していかなければなりません。結果としてワクチン担当大臣を誰にするのか。そもそも政府としてワクチンを含め、感染症対策をどんな体制で臨んでいくのか。これについては、今、調整をしております。少なくとも、ワクチン、感染対策を軽視するようなメッセージを発してはならない、そういった印象を持たれてはならないということで、しっかりとした体制を考えていきたいと思っています。
そして、政権発足のときに今の事態のようなことを軽く見ていたのではないか、ワクチン接種を軽く見ていたのではないかということについては全く当たらないと思っています。ワクチンの接種、そして、感染症対策全体は、政府全体としてどう対応するかということであります。
そして、仮に担当が替わったとしても、政府全体で、総力戦で当たるわけでありますから、その一員はそれぞれ役割を担い、役割を果たしていく、全力を尽くしてくれてきたと思っています。
引き続き、新しい体制においても政府全体となって、総力戦で感染症対策に対して立ち向かっていきたいと考えています。以上です。
(内閣広報官)
以上をもちまして、本日の記者会見を終了させていただきます。御協力ありがとうございました。今、手を挙げている方はメールでお願いします。以上です。
記者会見の動画
岸田内閣総理大臣記者会見の動画は官邸ホームページでご覧ください。