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活動報告

日中韓外相会議

3月21日(土曜日)午後5時10分から午後6時30分まで,韓国・ソウルにおいて日中韓外相会議が開催されたところ,概要次のとおり(出席者:岸田外務大臣,尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官(議長),王毅(おう・き)中国外交部長他)。なお,会議終了後,共同報道発表が発出された。

1.日中韓協力

3外相は,各分野で3か国協力が着実に進展していることを認識した上で,日中韓協力事務局(TCS)による3か国協力促進のための努力を評価しつつ,次の分野における具体的な協力案件の現状や将来の方向性について議論を行った。
(1)3外相は,防災,環境,青少年交流等について一層の協力を進めていく方向で認識を共有した。岸田大臣からは,防災分野について,先般,仙台で開催された第3回国連防災世界会議について紹介しつつ,中国及び韓国からの参加を評価したほか,日中韓防災関係閣僚会合の開催について述べた。また,岸田大臣は,日中韓FTA,RCEP交渉を進めるべきとの点を指摘した。
(2)3外相は,新たに中東政策協議を立ち上げること,テロ対策協議やアフリカ政策協議を近々再開すること等で一致した。また,岸田大臣は,原子力安全に関する分野について3か国協力が継続的に実施されている中,中国及び韓国との対話を継続しつつ,両国との一層の協力の深化に努めたい旨述べた。

2.地域・国際情勢

(1)北東アジア情勢
3か国は,北朝鮮による核開発を容認することはできない旨再確認したほか,朝鮮半島の非核化の実質的な進展のため,意義のある対話再開に向けて共に努力することで一致した。岸田大臣からは,安倍政権の最重要課題である拉致問題について中国及び韓国に協力を求めた。
(2)東アジア協力
岸田大臣は,本年設立10周年となるEASの強化の重要性やASEAN共同体構築に向けた支援の重要性を指摘した。さらに,3か国は,昨年の北京APECにおける成果と中国の尽力を評価した上で,本年のフィリピンAPECでも,APECが更なる具体的成果を出していけるよう,協力することで一致した。
(3)テロ対策・中東(ISIL)
岸田大臣は,ISILが国際社会にとって重大な脅威となっている中で,各国の強みを生かした貢献で連携した多面的及び長期的取組の重要性を指摘した。また,岸田大臣から,日本として人道支援の拡充,テロ対処能力向上の支援や過激主義を生み出さない社会の構築支援に包括的に取り組んでいく方針である等説明した。
(4)核軍縮
岸田大臣は,本年が被爆70年に当たることを踏まえ,本年の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議を成功させ,「核兵器のない世界」に向けた道筋を示すことの重要性を指摘した。

3.日中韓サミット

3か国は最も早期の都合のよい時期に日中韓サミットを開催すべく引き続き努力していくことで一致した。岸田大臣から,これまで日中韓サミットの早期開催を重視してきた日本の立場を述べた上で,日中韓外相会議の開催で日中韓協力のモメンタムが高まっているうちに,中国及び韓国と協力して,早期のサミット開催に向けた努力を一層進めていきたい旨発言した。

4.その他

会議の中で歴史問題についても発言があり,当方から,歴史認識については二国間会談を含む様々な機会に述べてきているとおりである等述べた。