2019年08月23日
日韓GSOMIAの破棄に関する報道について
現状の北朝鮮情勢と厳しいアジアの安全保障環境を考えます時に、日韓GSOMIAを破棄するというのは、安全保障環境を見誤った判断ではないかと考えており、大変遺憾に思っています。
こうした一連の日韓の対立は、様々な経緯を経てきましたが、やはり一番大きな対立は旧朝鮮半島労働者問題、いわゆる徴用工問題を巡るやり取りが1つの大きな原点ではないかと受け止めています。1965年の日韓請求権協定という両国関係の基本になる条約がしっかり尊重されるかどうか、これが大きな問題であったと思っています。こうした国際法、あるいは国際的な約束がしっかり守られるかどうか、さらには慰安婦問題に関する日韓合意等の国際的な約束がしっかり守られるかどうか、こうした国と国との関係における最も基本的な部分がしっかり守られるべく、韓国側において合理的な対応をしっかりこれからも求めていかなければならない、このように思います。
GSOMIAについては、私は2016年11月に署名した時の外務大臣でした。その時の経緯を振り返りますと、2012年に両国署名式の1時間前に韓国側の事情でキャンセルされ、署名が延期されてしまいましたが、その後私が外務大臣に就任し、GSOMIAの重要性と締結について韓国側に働きかけて、2016年に締結が行われました。日韓の安全保障上の連携は、北朝鮮情勢やアジアの安全保障環境上、大変重要であると認識をしています。
その中で、韓国側から破棄が表明されたことは大変残念であり、遺憾であると強く思っています。GSOMIAの重要性については強く認識をしていた者として、大変遺憾に思っている。それに尽きます。
(ぶら下がり会見より)