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活動報告

国民の生命と暮らしを守る 岸田文雄政務調査会長に聞く

8月の党役員人事で就任した岸田文雄政務調査会長。第二次安倍内閣から第三次安倍第二次改造内閣にかけての4年8カ月は外務大臣を務め、地球儀を俯瞰する外交を推進した。「将来の日本を中心で背負っていく人材」(安倍晋三総理)として政策責任者の重責を担い、経済の好循環加速や「人づくり革命」など、わが国が直面するさまざまな課題に臨む。

成長と分配の好循環を完成
責任感と志で政策を前に

政権支える”車の両輪”

「大きな責任を感じ、緊張感を持って職責を全うしたい」と力を込める岸田文雄政務調査会長「大きな責任を感じ、緊張感を持って職責を全うしたい」と力を込める岸田文雄政務調査会長

 ――政調会長となり、決意を聞かせてください。

 岸田文雄政務調査会長 議院内閣制において政府と党は「車の両輪」といえます。第2次安倍内閣の発足から、私は政府の一員として外務大臣の任に当たってきました。久々に党に帰り、どこか新鮮な気持ちでもあります。

これからは、もう一つの車輪である党の立場から、しっかりと職責を果たしてまいりたいと考えています。政府と党は役割こそ違いますが、政権を支える点では同じですから。

 ――内外の政策課題は山積しています。

 岸田 最優先課題は経済再生です。過去最高の水準となった名目GDPと企業収益、雇用や賃金引き上げなど、アベノミクスは大きな成果を上げました。しかし、内需の柱である個人消費は力強さを欠いています。雇用・所得環境の改善を消費に結びつけ、「成長と分配の好循環」を完成させなければなりません。

その一方、わが国は人口減少・少子高齢化の本格化により、経済や社会保障など、あらゆる仕組みの前提が崩れようとしています。経済成長を持続可能にするには、こうした構造的課題にも取り組まなければいけないでしょう。所得の格差が教育の格差を生み、それが所得の格差を再生産する負の連鎖も始まっています。成長と分配のバランスを取る観点で何らかの方策が必要と感じています。

続いて、国民の生命や暮らしを守ることは、最も大切な政治の責任です。北朝鮮問題は新しい段階の脅威となり、取り組みを強化しなければいけません。わが国独自の防衛システム、日米同盟の強化による抑止力、外交を通じた好ましい環境づくり――の3本を同時並行的に進め、国民を守る体制構築に全力を挙げます。

最近は、豪雨による災害も続いています。河川の氾濫や土砂崩れによる被害など、いつ、どこで発生するか分かりません。一人ひとりが絶えず緊張感を持つ姿勢が基本ですが、政治の側からも、平素より防災や復旧復興や生活環境回復への備えに万全を期すことが重要です。

 ――安倍総理は「人づくり革命」を新たに掲げました。さらに、臨時国会や来年度の予算編成と続きますが。

 岸田 賃金の引き上げには「人づくり」によって企業の生産性を高めることが欠かせず、経済の好循環とも密接に関係すると思います。「人生100年時代」を見据え、誰もが学び直せる、再スタートできる社会や教育のあり方が求められるでしょう。

臨時国会では働き方改革関連法案の熱心な議論が予想され、同一労働同一賃金や長時間労働是正などの改革は実行段階に入ります。政調会としても審議日程を念頭に、準備を行う考えです。

平成30年度予算については、8月30日の政調審議会で各部会から概算要求の報告を受け、了承しました(関連記事2・3面)。引き続き経済再生や災害対策などの課題に迅速に対応できるよう、年末にかけて予算編成の議論を重ねてまいります。

また、政府は訪日外国人観光客数を4000万人にする目標を設定しています。私も外務大臣時代、わが国の魅力を世界に積極的に発信し、外国人観光客数は3倍に増えました。日本での消費は8兆円を超えるといわれますから、国を挙げた取り組みを続けるべきです。

 ――10月には補選もありますが、党員・党友に向けては。

 岸田 わが党にとって大変厳しい時です。しかし、国民の皆さんの生命や暮らしを守り、国の繁栄をもたらすことができるのは、わが党です。責任感や志を持ち、政策で信頼回復に努めなければなりません。

党員・党友、わが党を支援してくださる全国の皆さんと力を合わせ、政調会長として、政策を前に進めてまいります。ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

機関紙「自由民主」2757号(2017年9月12日)1面に掲載