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活動報告

オバマ米国大統領の広島訪問

 5月27日,オバマ米国大統領は,安倍総理と共に,米国の現職大統領として初めて広島を訪問したところ,概要は以下のとおり。

1 概要

(1)平和記念資料館視察

 オバマ大統領は,平和記念公園到着後に安倍総理の出迎えを受けた後,平和記念資料館前において,岸田文雄外務大臣,湯崎英彦広島県知事,松井一實広島市長の出迎えを受けた。資料館で大統領は,岸田大臣から,資料館の概要及び佐々木禎子さんの折り鶴を含むいくつかの展示物について説明を受けた。大統領は,事前によく勉強していた様子で,熱心に展示物を見るとともに説明に耳を傾けていた。その後,大統領は,多少の助けを借りながらも自らで折ったという折り鶴を地元広島の2人の子供たちにそれぞれ手渡した。安倍総理とオバマ大統領は,それぞれ芳名録に記帳し,オバマ大統領は,更に2羽の折り鶴を添えた。

【参考】記帳の内容

安倍総理 原爆によって犠牲となったすべての方々に哀悼の誠を捧げます。恒久平和を祈り核兵器のない世界の実現に全力を尽くします。
オバマ大統領(仮訳) 私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に,平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう。

(2)平和記念公園での献花

  • (原爆死没者慰霊碑献花)
    原爆死没者慰霊碑献花
    (写真提供:内閣広報室)
  • (原爆死没者慰霊碑に献花した両首脳)

 両首脳は,厳粛な雰囲気の中,湯崎知事,松井市長,岸田大臣,ケネディ大使の先導により,原爆死没者慰霊碑に進み,ユース非核特使を務める広島の高校生から手渡された花輪を,オバマ大統領,安倍総理の順で献花し,黙祷を捧げた。

(3)ステートメントの実施

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両首脳は,オバマ大統領,安倍総理の順でステートメントを行い,唯一の核兵器使用国と戦争被爆国の首脳により,「核兵器のない世界」の実現に向けた力強いメッセージが発出された。

(4)被爆者とのふれ合い

 ステートメント後,オバマ大統領は,被爆者の坪井直氏,森重昭氏に歩み寄り,それぞれ言葉を交わした。

  • (被爆者に話しかける両首脳)

【参考】
日本政府が招待した坪井直氏(91歳)は,被爆者による全国組織である日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員を務めている。米国政府が招待した森重昭氏(79歳)は,自身が広島で被爆した後,長年,原爆で亡くなった米国側の捕虜12名について調査し,遺族のために伝えてきた。

(5)原爆ドームの説明

  • (原爆ドームを眺める両首脳と大臣)
  • 原爆ドーム視察
    (写真提供:内閣広報室)

 両首脳は,原爆ドームの方へ進み,「平和の灯(ともしび)」の北側から原爆ドームを望み,岸田大臣が説明を行った。1996年に世界遺産に登録された原爆ドームは,被爆地を象徴するものであり,オバマ大統領は熱心に岸田大臣の説明を聞いていた。また,岸田大臣は,目の前にあった原爆の子の像及び世界から寄せられた折り鶴についてもオバマ大統領に説明を行った。

2 評価

 現職の米国大統領として初となるオバマ大統領の広島訪問は,戦没者を追悼し,「核兵器のない世界」を目指す国際的機運を再び盛り上げる上で,極めて重要な歴史的機会となった。同時に,戦後70余年の間築き上げられてきた日米同盟,「希望の同盟」の強さを象徴するものになった。