活動報告

令和4年5月23日 日米共同記者会見

【岸田総理冒頭発言】

バイデン大統領の米国大統領としては初めての御訪日、大変うれしく思っています。

米国は日本にとって、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的な価値を共有する、我が国にとって唯一の同盟国です。日米同盟が我が国の外交・安全保障政策の要であることは言うまでもありません。

その上で、この度の日米首脳会談は、2つの意味で、これまでになく重要であると考えています。

1つには、現在、我々がロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす危機に直面しているからです。法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序を断固として守るべく、今ほど同盟国や同志国の結束が求められているときはありません。

もう1つは、インド太平洋地域の平和と繁栄をいかに確保していくかという課題こそ、国際社会にとって最も重要な戦略的課題であり、日米が主導的役割を果たしていくことが求められているからです。

その意味で、この度のバイデン大統領の訪日は、米国のこの地域への関与を強化し続けることを力強く示すものとして高く評価します。また、明日の日米豪印首脳会合も、バイデン大統領と共に必ず成功させたいと思っています。このような共通認識の下、本日、国際社会の様々な課題について、率直かつ有意義な意見交換を行いました。

まず、ロシアによる非道な侵略に関して、力による一方的な現状変更の試みは、いかなる場所であれ、断じて許容できず、G7を始め、国際社会と共に、引き続き毅然(きぜん)として対応することを再確認いたしました。また、ウクライナの政府と国民を全力で支えていくことを確認いたしました。こうしたウクライナ情勢がインド太平洋地域に及ぼし得る影響についても議論いたしました。

中国については、最近の中国海軍の活動や、中露両国による共同軍事演習などの動向を注視するとともに、東シナ海や南シナ海における力を背景とした現状変更の試みに強く反対すること。そして、人権問題を含めた中国をめぐる諸課題への対応に当たり、引き続き日米で緊密に連携していくことなどで一致いたしました。

また、台湾に関する両国の基本的な立場に変更はないことを確認し、国際社会の平和と繁栄に不可欠な要素である台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促しました。

北朝鮮については、ICBM(大陸間弾道ミサイル)級弾道ミサイルの発射を始めとする核・ミサイル問題について深刻な懸念を共有した上で、日米、日米韓で一層緊密に連携していくことを確認しました。拉致問題の即時解決に向け、今回、私から全面的な理解と協力を改めて求め、バイデン大統領から力強い支持を頂きました。バイデン大統領には、この後、拉致被害者の御家族と面会いただきます。

このように、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、バイデン大統領とは、日米同盟の抑止力、対処力を早急に強化する必要があることを再確認しました。

私からは、日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明し、バイデン大統領からは、これに対する強い支持を頂きました。また、日米で安全保障・防衛協力を拡大、深化させていくことで一致いたしました。

さらに、バイデン大統領からは、日本の防衛へのコミットメントが改めて表明され、今後も拡大抑止が揺るぎないものであり続けることを確保するため、閣僚レベルも含め、日米の間で一層緊密な意思疎通を行っていくことで一致いたしました。

加えて、沖縄を始めとする地元の負担軽減の観点から、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設を含む在日米軍再編を着実に実施していくことでも一致いたしました。

そして、核兵器をめぐる状況が厳しさを増している今だからこそ、核軍縮・不拡散に関する現実的、実効的な取組を進め、核兵器のない世界に向け、共に取り組んでいくことでも一致いたしました。

米国によるインド太平洋地域の経済秩序への関与がますます重要です。バイデン大統領によるインド太平洋経済枠組みの立ち上げを歓迎し、日本はこれに参加し、協力してまいります。その上で、日本としては、戦略的な観点から、米国がTPP(環太平洋パートナーシップ)に復帰することを期待しています。

また、経済面での日米の協力を一層拡大、深化させるため、本年7月に閣僚級の日米経済政策協議委員会、いわゆる経済版2プラス2を開催することでも一致いたしました。

さらに、最先端半導体の開発を含む経済安全保障分野の協力や宇宙などに関する具体的な協力でも一致できました。特にロシアのウクライナ侵略により、エネルギー、食料をめぐる状況が大きく悪化していることに対し、G7を始めとする同志国や国際機関と連携して対処していくことで一致いたしました。こうした協力を通じて、持続可能で包摂的な経済社会の実現のため、日米でイニシアチブを取っていきたいと思っています。

私の進める新しい資本主義に関し、バイデン大統領から改めて力強い支持を頂きました。中間層重視の政策を掲げるバイデン大統領と協力して、主要国に共通する経済政策の大きな潮流を作っていきたいと思っています。

また、国際保健やがん研究、気候変動、人権、民主主義の保護、促進など、地球規模課題への対応についても意見交換をし、引き続き日米で国際社会の取組を主導していくことで一致いたしました。

さらに、私からは、国際社会の平和と安全に主要な責任を負う安保理を含め、国連の改革と強化の必要性を述べ、バイデン大統領から賛意が示されました。また、バイデン大統領から、改革された安保理において日本が常任理事国になることを支持するとの表明がありました。

「太平洋は日米を分かつものではなくむしろ両者をつなぐものである」とのケネディ大統領が池田総理に贈った言葉は、今日、一層重みを増しています。私からは、「自由で開かれたインド太平洋」促進に向けた人材育成や交流が重要であることをお伝えし、バイデン大統領から賛意が示されました。

そして、日本は来年、G7の議長国を務めます。世界が、ウクライナ侵略、大量破壊兵器の使用リスクの高まりという未曽有の危機に直面している中、来年のG7サミットでは、武力侵略も核兵器による脅かしも国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するというG7の意思を歴史に残る重みをもって示したいと考えています。

唯一の戦争被爆国である日本の総理大臣として、私は広島ほど平和へのコミットメントを示すのにふさわしい場所はないと考えています。核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを世界に示し、バイデン大統領を始め、G7首脳と共に、平和のモニュメントの前で平和と世界秩序と価値観を守るために結束していくことを確認したいと思っています。私は、バイデン大統領にもこうした考え方を伝え、来年のG7サミットを広島で開催し、その成功に向けて共に取り組んでいくことを確認しました。

本日、我々は、今回の会談の成果として、共同声明を発出することになりました。この声明は、現下のウクライナ情勢やインド太平洋の戦略的重要性を念頭に置きつつ、自由で開かれた国際秩序の維持・発展を目指す日米の共同戦略です。ポスト冷戦時代の終焉(しゅうえん)とも言える現下の国際情勢において、日米同盟の真価がかつてなく問われています。「自由で開かれたインド太平洋」の実現、そして、自由で開かれたルールに基づく国際秩序の構築に、日米は不退転の決意で取り組んでいきます。引き続きバイデン大統領と緊密に連携していくことを楽しみにしています。ジョー、ありがとうございました。

 

記者会見の動画

日米共同記者会見の動画は官邸ホームページでご覧ください。

令和4年5月23日 日米共同記者会見

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