Policies
岸田文雄の政策
ALPS処理水の放出
福島復興とALPS処理水放出および日本産水産物等の輸入規制解除に向けた取り組み
1. はじめに:福島の復興と日本の未来を拓く決断
岸田政権においては、東日本大震災と原子力災害からの福島の復興を最優先課題と位置づけた。
ALPS処理水の海洋放出と、日本産水産物等に対する諸外国・地域の輸入規制解除に向けた取り組みを着実に進めてきました。
これらは、福島の未来を拓き、日本の国際社会における信頼を確固たるものとするために不可欠な歩みです。

2. ALPS処理水の安全確保と国際社会への責任ある対応
廃炉完遂への不可欠なプロセス
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉が適切に行われることは、福島の復興の大前提です。事故炉には約1,000体の使用済み核燃料が残されており、これらを安全に移送し、溶け落ちた燃料棒の残骸(デブリ)を取り出すためには広大なスペースが不可欠です 1。
毎日約100トンの地下水や雨水が事故炉に流れ込み、敷地内には1,000基を超えるALPS処理水貯蔵タンクが林立し、廃炉作業の大きな支障となっていました 1。
これらのタンクを減らすことは、敷地圧迫の解消、災害時の漏えいリスク低減、風評懸念の払拭に不可欠であり、ALPS処理水の放出は廃炉を着実に進めていくために避けては通れない取組とされていました 1。
政府は、汚染水の発生量を2025年内に約100㎥/日以下に抑制する目標を2023年度に達成し、さらに2028年度までに約50~70㎥/日へ抑制を目指すとともに、2051年までの廃炉完了に向け、2025年度には約54,600㎥(トリチウム総量約15兆ベクレル)を7回に分けて放出予定であり、一部タンクの解体も開始されています 4。

科学的根拠に基づく安全性と厳格なモニタリング
ALPS処理水は、トリチウム以外の放射性物質を国の規制基準を満たすまで浄化処理され、海洋放出前に海水で大幅に希釈されます。
希釈後のトリチウム濃度は、国の安全基準の40分の1(WHO飲料水基準の約7分の1)未満と極めて低く、人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどとされています。
国際原子力機関(IAEA)は、日本のALPS処理水海洋放出計画が国際安全基準に合致していると結論付け、放出中・放出後も継続的に現場で確認しています。
2023年10月をはじめ、放出開始後に実施・報告された全てのIAEAレビューにおいて、「関連する国際安全基準の要求事項と合致しないいかなる点も確認されなかった」と結論付けられています 2。
政府は、東京電力、環境省、水産庁による多層的なモニタリング体制を構築し、放水口周辺や魚介類中のトリチウム濃度を厳格に監視しています。これまでのモニタリング結果によれば、国の安全規制基準やWHO飲料水水質ガイドラインと比べて十分に低く、人や環境への影響がないことが確認されており、データは透明性高く公開されています 。
国際社会からの理解と信頼の醸成
岸田総理大臣は、ALPS処理水の海洋放出について、国際社会の理解を深める努力を不断に続けてきました。各国首脳や国際機関との会談等を通じ、科学的根拠に基づく日本の取り組みを丁寧に説明し、高い透明性を持って情報共有を行いました 。
その結果、米国、英国、EU、オーストラリア、デンマーク、マレーシア、パラオ、セルビア、チェコ、スペイン、ドイツ、国連など、多くの国・地域や国際機関から、日本の透明性の高い取り組みや科学的根拠に基づく対応に対し、評価や理解、支持が表明されています 。
これは、日本の外交努力が最高レベルで展開され、国際社会の懸念が科学的根拠と透明性への理解へと転換したことを示していると考えられます。
風評対策と漁業者の生業継続支援
政府は、ALPS処理水の海洋放出が廃炉の完遂に不可欠であるとの認識のもと、風評対策と生業継続対策に万全を期すことを約束しています。
全国漁業協同組合連合会(全漁連)や福島県漁連との意見交換では、科学的な安全性だけでなく、社会的な安心を確保し、漁業者が安心して生業を継続できるよう、政府が国の全責任において必要な対策を講じ続けることへの強い要望が寄せられました。
政府は、500億円の漁業者事業継続基金や、300億円の需要対策基金等からなる「水産業を守る」政策パッケージ等を通じ、風評発生時にも機動的な対応ができる体制を構築し、国内外に向けた「三陸常磐もの」の魅力発信、国内消費拡大や海外市場開拓のための支援、政府間の働きかけ等を行ってきており、引き続き注力しています。
また、農林漁業者、観光業者、加工・流通・小売事業者、自治体職員等を対象に、1900回以上の説明会や意見交換を実施し、きめ細やかな対応を行っています。
岸田総理自身も福島県産魚介類を使った昼食会を官邸等で開くなど、その安全性と美味しさを積極的にアピールしました 8。
3. 福島産食品の輸入規制解除と復興の加速
世界最高水準の安全性確保
日本は、食品中の放射性物質に関する世界標準に比べ極めて厳しい基準値を設定し、継続的な検査を実施しています。
現行の基準値は、食品から受ける放射線量が年間1ミリシーベルトを超えないように設定されており、一般食品で100Bq/kg、牛乳・乳児用食品で50Bq/kgという厳格なものです。
これらの厳格な安全対策により、基準値を超える食品は市場に流通させない体制を確保しており、福島県産の海産魚介類においては、事故直後に約3割確認された基準値超過検体が、2015年4月以降は1検体のみとなるなど、放射性物質濃度は大幅に減少し、安全性が確立されています 10。
粘り強い外交努力と規制撤廃の成果
東日本大震災後、一時55の国・地域が日本産食品等に対する輸入規制措置を導入しましたが、日本政府は、科学的根拠に基づかない規制に対し、二国間会談や国際会議、WTOなどのあらゆる外交機会を捉え、粘り強く即時撤廃を働きかけてきました 12。
その結果、これまでに49の国と地域が福島県産農林水産物の輸入規制を撤廃・緩和しました 。岸田総理大臣や外務大臣、農林水産大臣らが各国首脳や閣僚と直接会談し、福島産品の安全性を訴え、英国(2022年6月)、EU(2023年8月)、米国(2021年9月)、シンガポール(2021年5月)、インドネシア(2022年7月)、台湾(2024年9月)など、主要な国・地域での規制撤廃・緩和を実現しました。中国も、日本の一部地域(37道府県)の水産物の輸入を回復することを公表しました(2025年6月)が一部規制は残っており、香港、マカオ、韓国、ロシアといった一部の国・地域も規制を維持しています16。残された課題に対して、引き続き政府一丸となって強く働きかけていく方針としています 21。
福島産品の輸出拡大と地域経済の活性化
輸入規制の撤廃・緩和は、福島県産品の輸出を大きく後押しし、地域経済の活性化に貢献しています。令和3年度には、福島県産農産物の輸出量が震災前の約2.8倍となり、過去最高を記録しました。
令和5年度の福島県産品(アルコール類、加工食品、農畜産物、工芸品)の輸出実績は、全体で約13億39百万円となり、特に加工食品は前年度比251%増の3億35百万円と過去最高額を更新しました 22。
乾麺や味噌などの麺類・調味料、水産加工品が輸出を牽引し、アメリカ、台湾、ドイツなど新たな市場での販路を拡大しています 22。
米の輸出量もアメリカ、マレーシア、カナダ向けが顕著に伸び、過去2番目の輸出量となりました。牛肉の輸出もアメリカ向けが増加しています 16。
また、「震災前より少ない労力で、震災前を上回る高い収益を目指す『ふくしま型漁業』」の推進や、規格外のいちごをアップサイクル商品化する取り組み、福島県産水産品として初となるEUへのアオサ輸出など 、持続可能な産業構造への転換が進んでいます。
外国人訪問客も震災前より増加傾向にあり、観光面でも復興が進んでいます.5
「食べて応援」の広がりと国内外の理解促進
国内では、消費者の被災地産食品への購入ためらいが減少傾向にあり、福島県産の食品については、これまでで最小の8.1%となっています。
政府は「食べて応援しよう!」キャンペーンを通じて、生産者、消費者、食品産業事業者など多様な関係者の協力を得て、販売フェアや社内食堂での積極的な利用を推進しています。
福島県は、国際的なコンペティションへの出品、第三者認証GAP取得促進、環境にやさしい農業拡大、オンラインストアでの販売促進、多言語での科学的情報発信、テレビCM活用など、多角的な取り組みでブランド力向上と販路拡大、風評払拭を図っています 24。
岸田総理大臣自身も福島県産魚介類を使った昼食会を官邸で開き、積極的に福島産品の安全性をアピールし、国内外への理解促進に努めています。8
4. 結び:福島の未来へ、力強い歩みを続ける
岸田政権においては、ALPS処理水の安全な海洋放出と、福島産食品の輸入規制解除に向けた粘り強い努力などを通じて、福島の復興を力強く推進してまいりました。
廃炉の着実な進捗、国際社会からの信頼獲得、そして福島県産品の輸出額が過去最高を更新するなど、成果は着実に現れつつあります。
私たちは、福島の皆様の生活と生業が回復し、安心して暮らせるようにするため、政府与党一丸となって、引き続き安全確保、風評対策、そして地域経済の活性化に責任を持って取り組んでまいります。
写真提供:内閣広報室