Policies
岸田文雄の政策
G7広島サミットの開催
G7広島サミットが示す、平和と繁栄への確固たる意思
2023年5月19日から21日にかけて、日本が議長国を務めるG7広島サミットが開催されました。
このサミットは、原子爆弾による壊滅的な被害から奇跡とも言うべき復興を遂げ、世界の恒久平和を希求する広島において開催されたことは極めて意義深いものでした。
世界が未曽有の危機に直面する中で、G7の首脳が一堂に会し、自由、民主主義、人権といった基本的価値を共有する中で、国際社会の喫緊の課題について議論を深め、その成果を文書にまとめ上げたことは、今後の国際秩序の維持・強化に資するものとなりました。

実行した主な出来事と成果
G7広島サミットでは、多岐にわたる分野で議論が行われ、具体的な成果が打ち出されました。
1. ロシアによるウクライナ侵略への断固たる対応と国際秩序の維持・強化
G7首脳は、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難し、力による一方的な現状変更の試みを断固として拒否するG7の意思を改めて確認しました。
そのために、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続することに固い結束を示しました。
特に、第三国を通じた制裁の迂回・回避を防ぐことの重要性が強調されました。
こうした議論は、ウクライナのゼレンスキー大統領の出席を得たことにより、より一層の深みを持つものとなりました。
また、核兵器による威嚇も国際秩序の転覆の試みも断固として拒否するとの意思を歴史に残る重みを持って示し、「核兵器のない世界」の実現に向けた歩みを確固たるものとすることを期待しました。
G7首脳が、史上初めて一堂に会する形で被爆地広島の平和記念公園を訪問し、被爆の実相に触れ、平和への思いを共有したことは、この目標達成に大きく貢献するものであり、国際社会への強力なメッセージとなりました。
岸田総理も、閉幕時の議長国会見で、
「今日こうして、人類の生存を信じ、平和を希求し、広島に集う、各国のリーダーたち、世界のメディア、明日を担う若者や子供たち、そして先の大戦を知る皆さん、我々は皆、『広島の市民』です。
世界80億の民が全員、そうして『広島の市民』となった時、この地球上から、核兵器はなくなるでしょう。
私はそれを信じています。
今回、私は、そうした想いで、ここ広島で世界の首脳たちに集まっていただきました。
夢想と理想は違います。
理想には手が届くのです。
我々の子供たち、孫たち、子孫たちが、核兵器のない地球に暮らす理想に向かって、ここ広島から、今日から、一人一人が広島の市民として、一歩一歩、現実的な歩みを進めていきましょう。」
と力強く訴えました。

2. 経済的強靭性・経済安全保障の強化
サプライチェーンの構築・強化においては、透明性、多様性、安全性、持続可能性、信頼性の5つの原則を明記しました。
また、経済的威圧に対しては、その抑止や対抗のために「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を立ち上げ、G7が連携して対応していく枠組みを構築しました。
非市場的な政策・慣行や不当な技術移転、経済的威圧等の問題についても、中国との建設的かつ安定的な関係構築の用意を明言しつつ、議論が行われました。
3. 地球規模課題への対応
- 食料安全保障:
喫緊の食料危機への対応に加え、強靭で持続可能かつ包摂的な農業・食料システムの構築に向けた具体的な行動を示し、協力して取り組んでいくことで一致しました。
日本は2023年に17億ドル以上の人道支援を行うことを表明し、G7全体として210億ドル以上のコミットメントを表明しました。 - 保健: 公衆衛生危機対応のためのグローバルヘルス・アーキテクチャー(GHA)の構築・強化、より強靭、より公平、より持続可能なユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向けて取り組むことを確認しました。
- 気候変動・環境:
気候変動の緩和(再生可能エネルギー・植林・EV事業等)や適応(農業・上下水道等)に貢献する事業へ、日本として「気候変動対策推進ファシリティ」(ACCESS)を通じて15億ドルを上限に融資するなど、具体的な行動を示しました。
G7として、共通ルールの形成や、グリーン製品の価値評価の国際的な議論をリードしていくことの重要性が認識されました。 - ジェンダー平等と女性のエンパワーメント:
有給・無給のケアワークや家事の不平等な分担など、根本的な差別的社会規範やジェンダー規範に取り組み、育児休暇を含む社会保障の促進、インフラや長期ケアへのアクセスの促進を含む育児や他の分野のケアワークやケア経済への支援を提供することにコミットしました。
また、全ての学習者の教育機会を保護し、ジェンダー平等とあらゆる多様性をもつ全ての女性及び女児のエンパワーメントを教育において、また教育を通じて推進するというG7のこれまでのコミットメントを堅持することを改めて表明しました。 - デジタル・AI:
急速な発展と普及が国際社会全体の重要な課題となっている生成AIについて議論するために、2023年5月に「広島AIプロセス」が立ち上げられました。
このプロセスは、安全、安心で信頼できる高度なAIの開発と利用を促進し、今後の国際的なガバナンス形成をリードしていくことが期待されています。

4. グローバル・サウスとの連携強化
議長国である日本は、G7と「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国・途上国との連携強化を重視しました。
ロシアによるウクライナ侵略もあり、先進国と「グローバル・サウス」の分断が指摘する中、岸田総理は、アフリカ諸国歴訪などを通じ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化や、力による一方的な現状変更の試みは世界のどこであっても認められないことなどを「グローバル・サウス」各国の首脳との間で、重ねて確認してきました。
そうした外交的取組を礎に、岸田総理は、G7広島サミットのアウトリーチ会合を通じ、G7と「グローバル・サウス」の連携強化につなげ、全ての国が、主権、領土一体性の尊重といった国連憲章の原則を守るべきであるとの認識を共有されました。

G7広島サミットの意義
G7広島サミットは、日本が議長国として、現在の国際社会が直面する複合的な危機に対し、G7が結束して取り組む姿勢を内外に示し、具体的な成果を生み出したことに大きな意義があります。
第一に、核兵器の悲劇を経験した広島での開催は、「核兵器のない世界」への強いメッセージを発信し、世界の平和と安定に向けたG7のコミットメントを一層強固なものとしました。
各国の首脳が平和記念公園を訪問し、被爆の実相に触れ、被爆地訪問を呼びかけたことは、核兵器廃絶への国際的な機運を高める上で極めて重要な一歩です。
第二に、ロシアのウクライナ侵略が続く中で、G7が一致してウクライナへの支援とロシアへの制裁を継続する意思を明確にしたことは、国際法の遵守と国際秩序の維持に対するG7の揺るぎない決意を示しました。
第三に、経済安全保障、食料、保健、気候変動、デジタルといった地球規模課題に対し、具体的な行動計画と国際協力の枠組みを提示したことは、G7が単なる経済大国の集まりではなく、世界の課題解決に貢献する責務を果たすリーダーシップ集団であることを改めて示しました。
特に、広島AIプロセスの立ち上げは、急速に進化するAI技術に対する国際的なルール形成において、G7が主導的な役割を果たす意思の表れです。
第四に、グローバル・サウスとの連携強化に力を入れたことは、G7が国際社会の分断を乗り越え、より包摂的な協力関係を築こうとする姿勢を示しました。
これは、国際社会が直面する複合的な課題の解決には、G7だけではなく、多様な国々の協力が不可欠であるという認識に基づいたものでした。
G7広島サミットは、平和と繁栄への確固たる意思を示すものであり、今後の国際社会の安定と発展に大きく寄与する重要な一歩となりました。
日本は議長国として得た経験と成果を基礎に、国際社会の平和と繁栄に貢献していきます。
写真提供:内閣広報室、外務省