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岸田文雄公式サイト

著書『核兵器のない世界へ』

  • 核兵器のない世界へ 勇気ある平和国家の志

    価格 1,760円(税込)
    ISBN 978-4-296-10697-4
    発行日 2020年10月19日
    著者名 岸田文雄 著
    発行元 日経BP
    ページ数 288ページ
    判型 四六判

    出版社の紹介ページはこちら
    https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/20/279800/
    以下、出版社の説明を引用。

第2次世界大戦後の保守本流の流れを汲み、また、被爆から75年という節目を迎えた
広島出身の政治家として、「核兵器のない世界」へ、未来に向けてどう取り組むか---
これからの日本が目指すべき姿を、岸田文雄氏が自ら書き下ろした渾身の1冊。

ロナルド・レーガン、ミハイル・ゴルバチョフ、そしてバラク・オバマといった指導者たちが
これまで幾度となく、「核全廃」という名の松明を掲げ、挑戦してきた。
しかし、その勇気ある行動は常に国際政治の厳しい現実に翻弄され続けている。
その松明が細っている今、「この手にしっかりと引き継ぎたい」という政治家としての信念をつづる。
同時に、政治家を志した理由。理想と現実の間で、政治家が迫られる決断の難しさ。
政治家として夢を、その半生を通して語る。

2016年に外務大臣として実現させた米オバマ大統領(当時)の広島訪問はじめ、
4年7ヵ月の外相経験を通して、米国、英国、ロシア、中国をはじめ世界の首脳と築いてきた人間関係。
数々の具体的な交渉エピソードを題材にして、孤立、分断化が進む世界で、
なぜ「協調」をテーマとした政治、外交が肝要かを、改めてひもとく。

吉田茂以来、脈々と受け継がれてきた、戦後保守本流の流れを汲み、
近年の日本の政治、外交の現場を知る著者の証言は、歴史の記録としても貴重な1冊である。

-本書の概要-
第1章   故郷・広島への思い
第2章   保守本流の矜持
第3章   核廃絶のリアリズム
第4章   核の傘と非核三原則
第5章   岸田イニシアティブ

オバマ米国大統領の広島訪問

「米国大統領の広島訪問が実現し、
 広島の地から『核兵器のない世界』に向けた思いを訴えかけている姿に
 1人の広島市民として、被爆地出身の外務大臣として感動を思えました」

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「七十一年前の、よく晴れた、雲のない朝、空から死が降りてきて、世界は変わってしまった」
2016年5月27日、広島県広島市の中心部にある平和記念公園にバラク・オバマ米大統領の姿はありました。
「核なき世界」の実現を訴えたチェコ・プラハでの演説から数えて、実に七年の歳月が過ぎていました。
現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪れたオバマ大統領は平和記念公園の資料館を見学し、原爆慰霊碑に献花した後、人類の歴史に刻まれる演説をこの一節から始めたのです。
そして、オバマ大統領はこう続けました。
「閃光と火の塊が街を破壊し、人類が自らを滅ぼす手段を手にしたことを見せつけた。我々は何故、この地、広島にやって来たのだろう。(それは)それほど遠くない過去において、解き放たれた恐ろしい力について思いを馳せるためであり、十万を超える日本の男性、女性、子どもたち、数千の朝鮮半島出身者、そして、捕虜になっていた米国人ら(全ての)犠牲者を追悼するために来たのである。彼らの魂は私たちに語りかけている。もっと内面を見て、我々が何者なのか、そして、我々が(これから)どうなっていくのかを自問せよ、と……」
(『核兵器のない世界へ』日経BPより)
岸田文雄は日本の外務大臣としてオバマ米国大統領の広島訪問を主導し、また当日は原爆ドームや原爆の子の像などをオバマ大統領に直接説明。
人類にとっての歴史的な一日にその足跡を残したのでした。

条約・枠組み・国際会議など

70年前、私の故郷広島において、一発の原子爆弾が13万人以上の尊い命を奪いました。残されたものも後遺症に苦しみ、多くの者がその後命を落としました。『被爆体験は思い出したくないが、2度と繰り返さないために忘れないようにしている。』これは多くの被爆者の思いです。
被爆地広島出身の外務大臣として、私は、被爆地の思いを胸に、この会議において『核兵器のない世界』に向けた取組を前進させる決意です。
2015年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議、岸田文雄一般討論演説より
岸田文雄にとって核軍縮は、まさにライフワークというべき課題です。
外務大臣在任中、数多くの国際会議の場で、その思いを自らの言葉で訴えてきました。
その結果、G7広島外相会合における核保有国である米英仏の現職外相をはじめとするG7外相達による広島平和記念公園の訪問や献花、そしてそれに続くオバマ大統領の歴史的な広島訪問が実現しました。(オバマ大統領広島訪問
一方、2015年のNPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議では合意文書がまとまらず終了するという非常に歯がゆい経験もしました。
その後も、NPDI(軍縮・不拡散イニシアティブ)に参加する国々と会談を重ね、CTBT(包括的核実験禁止条約)の早期発効を国際社会に訴え、着実に核兵器の縮小、廃絶に向けて、歩みを進めました。
核軍縮の課題に人生をかけて取り組む。外務大臣退任後も、その覚悟は変わりません。
今後も、様々な立場から、国際社会に働きかけを続けていきます。

核兵器不拡散条約(NPT)

核兵器不拡散条約(NPT : Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)とは、核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用を三本柱として核兵器の拡散の防止を目的とする条約です。
1968年7月1日に署名開放され、1970年3月5日に発行された(日本は1970年2月署名、1976年6月批准)。
締約国は191か国・地域(2020年1月現在)。非締約国はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダン。

●2020年NPT運用検討会議第一回準備委員会

2017年5月2日から12日まで、国連のウィーン本部において、2020年NPT運用検討会議に向けた第一回準備委員会が開かれました。
この準備委員会は、毎回、NPT運用検討会議の3年前より年1回、3回にわたって開催されます。
これまでNPT運用検討会議準備委員会には、日本からは副大臣や政務官が出席してきましたが、日本の外務大臣として初めて本委員会に出席しました。
委員会では、会議冒頭、最初のスピーカーとして、一般討論演説を行いました。
「NPTは,核軍縮・不拡散の礎石です。そして,NPTを基軸に築かれてきた体制は,締約国や市民社会によるあらゆる努力やアプローチを包摂し,我々を団結させ,そして世界の平和や安定と共に核廃絶をもたらすものです。

日本は核兵器のない世界を目指す全ての諸国と協力して,2020年の運用検討会議の成功に向け全力を尽くす決意を改めて訴えます。」
演説においては、以下の点について訴えかけました。
  • 北朝鮮の核ミサイル開発に対する非難と安保理決議等の遵守の要求
  • 核兵器国と非核兵器国の信頼関係の再構築の必要性
  • 透明性、安全保障環境、被爆の実相の認識の「3つの向上」の提案
  • 日本の考える核兵器のない世界に向けた具体的な道筋の提案
加えて、核不拡散への取組の促進や核セキュリティの強化、原子力の平和的利用に関する日本の貢献に言及しつつ、核兵器のない世界を目指し、2020年NPT運用検討会議の成功に向け日本として全力を尽くす決意を示しました。
一般討論演説全文はこちらから
日本語PDF / 英語PDF

●2015年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議

NPT運用検討会議は、5年毎に開催され、締約国が条約の運用をどのように実施してきたかを見直し、今後取るべき施策を議論する会議です。
2015年は、4月27日から5月22日まで、ニューヨークの国連本部において開催されました。
被爆70年の節目に開催された本会議は、核兵器国と非核兵器国の核軍縮をめぐる対立、中東問題や核兵器の非人道性等、締約国の意見を収斂することが難しい課題が多く、最終文書の合意は容易ではないという見方が多い中で始まりました。
結果的に、中東非大量破壊兵器地帯構想の問題を巡って最後の調整が行われましたが合意に至らず、最終文書案が採択されないまま会議が終了しました。
※中東非大量破壊兵器地帯構想:中東地域における核兵器などの大量破壊兵器のない地帯
(非大量破壊兵器地帯)の創設を目指す試み。
そのような難しい状況の会議で、4月28日、被爆地である広島出身の外務大臣として一般討論演説を行い、核軍縮に対する思いを訴えました。
「もちろん政治指導者は自国を巡る安全保障環境について冷静な認識を持たねばなりません。
同時に核兵器の非人道性についての正確な認識を持ち, 理想を忘れない政治家であることが重要であると私は信じます。」
演説の中では、被爆地広島出身の外務大臣として、被爆地の思いを胸に「核兵器のない世界」に向けた取組を前進させる決意を述べました。さらに、核兵器国と非核兵器国の双方が「核兵器のない世界」という理想に向けて結束し、共同行動をとることを求めた上で、
日本として、
  • 核戦力の透明性の確保
  • あらゆる種類の核兵器の削減や核兵器削減交渉の将来的な多国間化
  • 核兵器の非人道的影響の議論の下での「核兵器のない世界」に向けた国際社会の結束
  • 世界の政治指導者及び若者の広島・長崎訪問
  • 地域(北朝鮮等)の核拡散問題
について訴えました。
一般演説全文はこちらから 日本語(PDF)英語(PDF)
外務省の説明のページはこちら

軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)

軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)とは、2010年9月、日本とオーストラリア主導で、志を共有する非核兵器国と共に立ち上げた地域横断グループです。
2010年5月の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議における合意事項の着実な実施に貢献すべく、国連等の場において現実的かつ実践的な提案を行うことにより、国際社会の取り組みを主導し、NPT加盟国間の橋渡し役を目指しています。
現在のメンバーは、日本、豪州、カナダ、チリ、ドイツ、メキシコ、オランダ、ナイジェリア、フィリピン、ポーランド、トルコ及びアラブ首長国連邦の計12か国。

●軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)広島外相会合

2014年4月11日、 12日、広島県でNPDI外相会合が開催されました。
NPDI外相会合が日本で行われるのは初めてであり、各国参加者は、原爆慰霊碑参拝・献花、平和記念資料館の視察、被爆者体験の聴講を行いました。
本会議において、岸田文雄は議長を務め、その成果として、核軍縮・不拡散におけるリーダーシップをアピール、現実的かつ実践的な措置を盛り込んだ「広島宣言」を採択、「核兵器のない世界」に向けた力強いメッセージの発出をすることができました。
「我々,軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)の外相は,人類の歴史上初めて原子爆弾が投下されたここ広島に集まり,今日に至るまで続いている原子爆弾の破滅的で非人道的な結末を直に目撃した。
我々は,原子爆弾の生存者(被爆者)の証言に非常に深く心を動かされ,核兵器のない世界という目標を達成するという我々のコミットメントを新たにした。このことも念頭に,我々は世界の政治指導者たちにもその非人道的な結末を自身の目で確かめるため,広島及び長崎を訪問するよう呼びかける。」
広島宣言はこちらから 英語正文(PDF)  和文仮訳(PDF)  和文骨子(PDF)

包括的核実験禁止条約(CTBT)

包括的核兵器禁止条約(CTBT)とは、宇宙空間、大気圏内、水中、地下を含むあらゆる空間における核兵器の実験的爆発及び他の核爆発を禁止する条約です。
CTBTは、184か国が署名、168か国が批准しているものの、その発効のためには特定の44か国(発行要件国)すべての批准が必要とされており、現在、米国,中国,エジプト,イスラエル,イランは署名済・未批准、インド,パキスタン,北朝鮮は未署名・未批准で条約は未発効のままです。
日本はCTBTを、核兵器不拡散条約(NPT)を中核とする核不拡散・核軍縮大成の不可欠の柱としてとらえており、その発効促進を核軍縮・核不拡散分野の最優先課題の一つとして重視しています。

●第9回包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進会議

2015年9月29日、ニューヨークの国連本部において、岸田文雄とイドリソフ・カザフスタン外相の共同議長の下、第9回包括的核実験禁止条約(CTBT)発効促進会議が開催されました。
会議では、潘基文国連事務総長やラッシーナ・ゼルボCTBTO(包括的核兵器禁止条約機関準備委員会)事務局長、モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表やビショップ豪州外相,シュタンマイヤー独外相をはじめとする約20カ国の外相を含む各国政府代表等が出席し,演説を行いました。
共同議長としてのステートメントの中で、
  1. 発効要件国を中心に未署名・未批准国への政治的働きかけの促進
  2. 核実験検知のための国際監視制度の構築の促進
  3. 核兵器使用の惨禍を市民社会に一層広めていくことの促進
という「3つの促進」を呼びかけました。
本会議において、共同議長を務めたイドソリフ外相のカザフスタンは、かつてソ連の主要な核実験場があり、核実験場の周囲で暮らす人々が被爆しました。
唯一の被爆国である日本と核の危険性を知るカザフスタン、両国のリーダーシップによって、CTBTの早期発効、核兵器のない世界の実現に向けて、強いメッセージが発信されました。
「私は,核の脅威を知る立場からイドソリフ外相と共に核兵器使用の実相を発信し,世界が核軍縮の原点を見失うことのないよう導いていきたいと思います。そして全人類の問題として,核兵器のない世界の実現のために各国の一層の真摯な協力を求めます。」
岸田外務大臣ステートメント
英語(PDF) 日本語(PDF)
最終宣言
骨子 和文(PDF) 全文(英文)(PDF)