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活動報告

第8回NPDI外相会合(広島)

2014/04/12

1 全体概要

4月11日,12日,広島において,軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)広島外相会合が開催された。NPDIは,2010年9月の国連総会の機会に日豪主導で立ち上げた,12か国からなる核軍縮・不拡散分野における地域横断的な有志国グループであり,本件外相会合は,昨年9月にニューヨークで行われた第7回会合に続く8回目の会合で,初めて我が国で開催されたもの。12日には,各国参加者に慰霊碑参拝・献花,平和記念資料館視察,被爆者体験の聴講を行った上で,午前10時40分から12時40分まで外相会合,12時50分から14時20分までワーキング・ランチ,14時45分から15時15分まで共同記者会見が行われた。政治レベルの出席があった国の出席者は以下のとおり。

我が国 岸田外務大臣(議長)
豪州 ビショップ外相
ドイツ シュタインマイヤー外相
オランダ ティマーマンス外相
フィリピン デル・ロサリオ外相
トルコ ダーヴトオール外相
UAE スルターン・ジャーベル国務大臣

2 ワーキング・セッション概要

(1)冒頭,岸田大臣から,以下のとおり述べた。
ア 被爆地広島での会合開催をうれしく思う。日本は各国政治指導者の被爆地訪問を重視。日本は国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から国際社会の平和と安定,繁栄により貢献していく。核兵器使用の非人道性についての認識と多様化する核リスク直面への冷静な認識という2つの認識を基礎として国際的取組を主導していく。核兵器の非人道性についての認識を世代と国境を越えて広げ,「核兵器のない世界」という目標に向けた強い思いを各国と共有したいと考え,各国出席者に外相会合前に被爆の実相に直接触れて頂いた。
イ 核兵器不拡散条約(NPT)を中心とする軍縮・不拡散体制は厳しい状況に直面しているが,こうした状況だからこそ,2015年に開催されるNPT運用検討会議を成功させる必要がある,そのために現実的かつ実践的な取組を着実に積み重ねていくことが不可欠。今後1年間の戦略を練るよう,事務方に検討させたい。
ウ 核兵器がもたらす非人道性について,普遍的かつ開かれた議論を進めることが重要であり,国際社会を「結束させる」触媒となること,世代と国境を越えて「広げていく」こと,科学的側面についての知見を「深めていく」ことが重要。

(2)各国出席者の主な発言は以下のとおり。
ア 核軍縮・不拡散を考える上で象徴的な被爆地広島での会合開催,そして本12日午前中(外相会合開催前)に行われた原爆慰霊碑献花・平和記念資料館視察及び被爆者証言の聴講を通じ,被爆の実相に触れて深く心を動かされ,「核兵器のない世界」に向けたコミットメントを新たにした。一方で,被爆地広島が復興し,美しい町となっていることを評価。各国指導者は被爆地である広島・長崎を訪問すべき。
イ 軍縮・不拡散体制が厳しい状況にあるとの岸田大臣の考えに同意(具体的に,シリアにおける化学兵器使用,イランにおける核開発,北朝鮮の核・ミサイル実験,ジュネーブ軍縮会議の停滞,包括的核実験禁止条約(CTBT)未発効等に関する言及あり)。
ウ ウクライナ情勢につき,ロシアによる一連の行為は1994年のブダペスト覚書に違反しており,軍縮・不拡散体制に悪影響を及ぼしうる観点から,これを懸念。 エ かかる状況にあるからこそ,NPT体制を強化することが必要であり,2015年NPT運用検討会議の成功に向け,協力していきたい。

(3)広島宣言
会合の終わりに,外相会合の議論内容をまとめた広島宣言を採択した。

広島宣言

3 ワーキング・ランチ概要

(1)NPDI各国に加え,ゲスト・スピーカーとしてインドネシアのマルティ外相,米国のゴッテメラー国務次官,ペルーのロマン・モレイ大使(2015年NPT運用検討会議第3回準備委員会議長)が出席し,NPDIへの期待,NPTに基づく核軍縮・不拡散に関する今後の展望などにつき意見表明があった。特に,米国からは,オバマ大統領の「核兵器のない世界」についてのコミットメントを維持している,NPDIが核兵器国の核軍縮に関する報告フォーマットを提案したことを評価するとの発言があった。
(2)ゲスト・スピーカーの発言に関し,NPDIメンバー国の出席者から質問がなされ,活発な意見交換が行われた。

4 関連行事

上記の他,岸田大臣は以下の関連行事にも出席した。また,11~12日にかけて,NPDI各国の若者が参加する「ユース非核交流プログラム」も実施された。
(1)各国外相と被爆者や市民等との意見交換会(4月11日(金))
(2)外務大臣・NPDI外相会合支援推進協議会共催レセプション・ディナー(同上)
(3)慰霊碑参拝・献花,平和記念資料館視察,被爆者体験の聴講(4月12日(土))

5 評価

(1)我が国で初めて,かつ被爆地である広島での外相会合開催は,被爆の実相に触れる行事に出席したほとんどすべてのNPDIメンバー国が強く心を揺さぶられ,NPDI各国として「核兵器のない世界」に向けた取組をこれまで以上に積極的に取り組むためのまたとない機会となった。
(2)我が国の提案である,すべての種類の核兵器削減,核軍縮交渉の多国間化,核軍縮努力を行っていない国に対する核戦力の削減の要求,透明性の向上等,現実的かつ実践的な措置に付き合意することができた。
(3)核兵器の非人道性については,国際社会を「結束させる」触媒となること,世代と国境を越えて「広げていく」こと,科学的側面についての知見を「深めていく」ことが重要であるとの我が国の考えに対し,多くの国から賛同が得られた。この問題において,これまで必ずしも立場が一致していなかったNPDI各国が,広島宣言で共通の考え方に同意したことにより,今後の機会においても広島宣言をベースとして共通の基盤の下に「核兵器の非人道性」についての議論を展開できることが期待される。
(4)2015年NPT運用検討会議に向け,NPDIとして国際社会をリードしていくため,引き続き協力して今後の戦略を検討していくことで意見が一致した。

軍縮不拡散イニシアティブ(NPDI)について

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